F checkを使ってみた!!
「いつか産むかもしれない」なら知っておきたい卵巣のこと。自宅で簡単に検査できる
結婚しても、しなくても生きていける、そんな時代――。
「晩婚化社会」と言われて久しい昨今、経済的に自立した女性が増えたことから、30代を過ぎても「(結婚は)今じゃない」「まだいいかな」と考える人もいます。
個人が自由に選択すべき事柄だからこそ、その現象にいいも悪いもありません。
ただ、平均初婚年齢が上昇しているのに伴い、妊娠や出産に関わるさまざまな平均年齢も上がっていること、それにより何が起きているかは、知っておいたほうがいいでしょう。
■晩婚化・晩産化社会をデータから考える
厚生労働省が発表した最新の「人口動態統計」(※1)によると、平均初婚年齢は1980年には夫が28.7歳、妻が25.9歳でした(※2)が、
2010年には夫が30.5歳、妻が28.8歳、2016年には夫が31.1
歳、妻が29.4歳に。一世代で晩婚化が約3年進んだこと、平均初婚年齢が上昇し続けていることが伺えます。
平均初婚年齢とセットで、第一子を産む母親の平均年齢も上昇しています。
2006年には第一子を産んだときの母親の平均年齢は29.2歳でしたが、2011年には30歳を超え、2016年には30.7歳となり、過去最高水準を記録。
とくに東京や神奈川、京都、千葉、埼玉などの都市圏と周辺部で平均年齢は高くなっています。
さらに2006年と2016年を比較すると、全都道府県で1.1~1.8歳上昇していることも明らかになりました。
そうなると当然、第二子や第三子を産む平均年齢も上昇します。
出生順位別に母親の平均年齢を見ると、2016年は第二子が32.6歳、第三子が33.6歳で、およそ40年前の1975年(昭和50年)と比べると、それぞれ4.6歳、3.3歳上昇しています。
ここで考えたいのは高齢での妊娠・出産です。
日本生殖医学会は「女性は年齢が増加すると妊孕性(にんようせい/妊娠する力)が低下する」と解説(※3)しています。
加齢により妊孕性が下がると、不妊症が増えることになり、不妊の頻度は25歳~29歳では8.9%、30~34歳では14.6%、35~39歳21.9%、40~44歳では28.9%と報告されているのです。
■いつか妊娠したいと思う人が、今知っておきたいこと
前出の数字が「多い」なのか「少ない」なのか、あるいは「自分とは関係ない」と捉えるのかは、
一人ひとりの感性によるところが大きいと思いますが、
もしいつか子どもを望む可能性があるなら、ひとつの情報として頭に入れておきたいところ。
ライフプランを考える上で、自身の生殖機能に関する知識は必須といえます。
とくに、子どもを望んでいる場合、妊娠を阻むリスクは「年齢的な体力」だけではなく、卵子の老化、ホルモン異常によるものがあると知っておく必要があります。
たとえば、卵子周辺の細胞から出るホルモンである「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」を検査することで、
自分の卵巣内にあとどれくらい卵子が残っているか、言い換えると「卵子の在庫数」の目安を調べることが可能。
女性が胎児のときに作られる卵子は、生まれたときに個数が決まっていて、質や数に個人差はありますが、卵子の在庫数から、「卵巣の中に残っている卵子の数が、何歳の平均的な値と同水準か(=卵巣年齢)」を推定することができるのです。
AMH値が低い=妊娠が難しいと判断するのは早合点ですが、閉経が早くなる可能性も考えられます。
検査結果の如何によっては、できる限り早めの備えをするなど、妊娠に向けたアクションを起こす必要もあるでしょう。
何はともあれ、まずはAMHの検査を通じて、自分の体の現状把握をしたい。
でも、直近で病院に行く時間を取るのがちょっと難しい。
そんなときに役立つのが、自宅で気軽に使えるホルモン検査キットです。病院に行かなくても、家にいながら自分の好きなタイミングで検査ができます。
■自宅で気軽にできる! ホルモン検査キット使用体験記
今回使ったのは「F check 卵巣年齢チェックキット(以下、F check)」です。F checkのサイトに登録・注文後、キットが届いたら詳しい説明書をもとに採血をします。
自分で採血するなんて怖い……と思う方もいるかもしれませんが、超極細針で指から0.1ミリの血液を採取するだけでOKです。
絞り出す血液の目安は「あずき大」とのこと。血液量が規定量に足りないと検査できない可能性があります。
ただ、予備の針が入っているため安心です。
血液を吸引器で吸い取ったら手順に沿って、血液を混和・分離、密閉して郵送します。
すべて説明書にイラスト付きでわかりやすく書かれているので安心してください。
約1週間後、サイトから結果を閲覧できます。
私は実年齢の33歳よりも卵巣年齢は若く、AMH値が高いとの結果が出ましたが、AMH値が高い=妊娠しやすいとも限りません。妊娠のしやすさは年齢に比例する、というのが基本です。
一般的に、AMH値が4.0~5.0ng/ml以上ある場合は、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん/PCOS)が疑われるといいます。
ただ、自分の卵巣の状態を数字で把握できたこと、卵子の在庫数の目安を知ることができたことは大きな収穫でした。
今回の検査結果から、今後体験し得るライフイベントに合わせて、自分の体を定期的にウォッチしなければ、という気持ちになりました。
■「今の自分の体」を見つめてみて
ちなみに、レディースクリニックや不妊治療専門クリニックなどで、
1万円前後~(保険適用外)でAMHの検査をすることができますが、どうしても待ち時間が長くなるのがネックだと思います。
とくに他の診療もする場合は、病院への滞在時間が半日ほどになる可能性も。
多忙で病院に長時間いられない方や検査をさっと済ませたい方は、あまりにも長い待ち時間を苦痛だと感じるかもしれません。
F checkのような自宅で使える検査キットは、「不妊かもしれないけれど、不妊治療を開始するのは怖い」「不妊治療に踏み切るか、まだ悩んでいる」、あるいは「今すぐ妊娠は考えていないけれど、卵子がどれくらい残っているか知っておきたい」といった方におすすめです。
今の自分の体を知ることは、その後のキャリアプランだけでなく、ライフプランを考えていくことにもつながります。5年先、10年先にどうなっていたいか、具体的に描くためにも自分の心身と向き合ってみては。
卵巣年齢チェックキットF checkの詳細はコチラから
※1 人口動態統計
2000年代の平均初婚年齢 P.31参照
第一子を産んだときの母親の平均年齢 P.11参照
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf
※2 人口統計資料集「全婚姻および初婚の平均婚姻年齢 1899~2006年」
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2008.asp?fname=T06-12.html
※3 日本生殖医学会による「年齢が不妊・不育症に与える影響」
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa18.html